苗場山周辺 金城山(1360m)、 黒倉山(1777.5m)、 小松山(1800m)、 日蔭山(1860m) 2013年4月20日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  5:14 見倉トンネル北口(登山口)−−5:17 登山口−−5:33 巻道を戻る−−5:45 登山口−−5:51 尾根−−7:06 金城山−−9:12 黒倉山(休憩) 10:09−−10:28 小松山−−10:41 日蔭山−−10:56 1850m峰−−11:18 日蔭山−−11:22 1790m鞍部−−11:41 小松原小屋 11:44−−12:48 金城山(休憩) 13:15−−13:55 見倉トンネル北口(登山口)

場所新潟県十日町市/新潟県中魚沼郡津南町
年月日2013年5月12日 残雪期日帰り
天候曇後晴れ
山行種類残雪期登山
交通手段マイカー
駐車場見倉トンネル北側入口に駐車場あり
登山道の有無黒倉山を除いてあり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望金城山以外はあり
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント見倉登山口より登山道の無い黒倉山経由で日蔭山を往復。金城山以降は残雪が連続、夏道の存在が全く分からないほどで、緩斜面の湿原地帯では雪がある時期はルートファインディング技術必須。登れても登山口に戻れなくなる可能性が大。帰りがけに小松原避難小屋を訪問。1階は雪に埋もれていて窓から出入りする状態。周囲はシラビソ樹林で展望は無く、雪がある時期はGPSを使うか高い読図能力が無いと小屋を探し出せない。でも残雪期は自由に歩けて無雪期より快適!


ルート図。クリックで拡大


林道東秋山線見倉トンネル北口が登山口 駐車場
登山口
案内標識
登山口標識は苗場山ではなく大栃 大栃と苗場山方面の分岐
苗場山方面は巻道を進む。このすぐ先が分岐だった 駐車場を見下ろす
いつまでも巻道が続き、途中で戻る 地形図で登山道が上がるはずの尾根。全く道なし
ここが苗場山方面分岐。標識が半分埋もれていた 斜面をジグザグに上っていく
尾根に乗る 熊の糞
イワウチワ。たくさん咲いていた 良好な道が続く
金城山直下で残雪登場 朝日が眩しい
金城山山頂付近は広大な残雪。夏道不明 この標識は斜面にある
金城山最高点 南に向かう
西の山々はまだ雲の中 1350m峰
1350m峰より下る 1240m鞍部まで夏道が出ていた
1240m鞍部より登る。これ以降は地面は見えない 金城山を振り返る
2つ目の1350m峰より1430m峰を見る 1430m峰へ登る
1430m峰で東に進路を変える 傾斜が緩み湿地帯に近づくとブナからシラビソに変わる
湿地帯に出る 黒倉山を正面に見ながら進む
湿地の雪原とシラビソ樹林が混じる 1710m峰向けて尾根を登る
へし折れたシラビソが多い 黒倉山
1700m鞍部 稜線に乗り黒倉山を見る
西側の1710m峰
1700m鞍部から見た苗場山
少し北を巻き気味に登る 小松原湿原方面
黒倉山山頂 黒倉山山頂
黒倉山から見た日影山 黒倉山から見た秋山郷
黒倉山から見た南〜西の展望(クリックで拡大)
黒倉山を下って日蔭山に向かう カモシカの足跡
小松山(1800m峰)への登る 小松山から見た日蔭山
鞍部から登り返す スキー跡? それとも自然現象?
もうすぐ日蔭山山頂 日蔭山山頂
日蔭山から見た苗場山(クリックで拡大)
日蔭山を振り返る 1850m峰
1850m峰山頂
1850m峰から見た北半分の展望(クリックで拡大)
日蔭山へ戻る 日蔭山への登り。途中まで巻いたが雪質悪く稜線へ
日蔭山再び 日蔭山から見た黒倉山
小松山との鞍部で北を巻く 小松山北尾根。何故か広範囲でシラビソが枯れかけている
小松原湿原向けて下る まだ枯れたシラビソが多い
隙間から見た黒倉山 小松原避難小屋

入口のドアは雪で開かないが窓から出入り可 ルート図(クリックで拡大)
小屋のすぐ北側の湿原
西に進んで2つ目の湿原
さらに西に進んで3つ目の湿原。ここで往路の足跡に遭遇
往路の足跡 自分の足跡を追って平坦部を通過
西に下る 金城山が見えた。もう安全地帯
1430m峰から見た西側の山々
1430m峰から見た妙高、火打
金城山へ向かう 1290m鞍部から1350m峰への登り
夏道を利用して1350m峰へ 川クルミ沢方面
1350m峰から金城山 豊富な残雪を登る
鳥甲山も雲から出てきた
笹葉峰付近 金城山
金城山より西に下る ここから夏道
立派な夏道を歩く 見倉集落
タムシバ 登山道は尾根を離れて北斜面をジグザグに
巻道に合流 風穴。これなのか埋もれているのか?
カタクリ 登山口付近のカタクリ群落
登山口到着


 大型連休が終わり、標高が高いところ以外の残雪期の終了は間近。豪雪地帯でも標高が低い場所は藪が出てしまっており、アプローチから藪漕ぎは避けたいところで、途中まで夏道が使える場所で上部は残雪が期待でき、なおかつ未踏の山、しかも天気が回復するのは日曜日なので日帰りの条件を勘案し、苗場山北側の小松原湿原付近の山を目指すことにした。黒倉山が登山道から外れていて今の時期でないと楽して登れない。傾斜が緩まる金城山以降で残雪が期待できると予想した。おまけに連休後半の尾瀬で右足親指の腱を痛めてしまい、つま先を使う急な登り下りを避けたいという考えもあった。苗場山北部なら金城山まで登ってしまえば傾斜は緩く、キックステップを使う機会もないだろう。

 土曜日に秋山郷に向かい、清水川原で国道405号線を離れて東秋山林道に入る。除雪されているか心配だったが見倉集落には人家があり真冬でも除雪されるようだ。それ以前に道路周辺はほとんど雪は無く、除雪してなくても入れるような状況だった。見倉トンネル入口左手に苗場山登山口と駐車場があった。林道はトンネル入口まで通行可能で、その先は通行止めとなっていた。この先のどこかで残雪で通行止めなのだろう。土曜夜は雨が降っていたが明日は回復するだろうと酒を飲んで寝た。

 日曜朝。明るくなり始めた時間帯に自然に起床。天気は雲は多く今は金城山の稜線は雲に隠れているが雲の隙間が多く、予報通り回復しつつあるようだ。昨日の予報ではお昼くらいから快晴のはずだ。昨日の雨で連休前後に積もった上部の新雪は溶けてしまった可能性が高いが、念のためワカンを持参、これまた念のために12本爪アイゼン。まさかピッケルは不要だろうとストックにした。

 歩き始めるとすぐに左方向に「見倉大栃」の分岐標識。苗場山(小松原湿原)方向は右に巻くような道だ。地形図ではこのまま尾根の先端から登ることになっているので巻道を行く。入口に案内があるくらいなので要所には標識があるはずだが、巻道をいくら進んでも上に行く道が出てこない。このまま行くとトンネル南口まで達しそうなので、どこかで見落としていないかとUターン。少なくとも地形図に書かれた尾根突端には踏跡すらないのが確認できた。もっと手前で分岐が無いかとさらに下ると、見倉大栃分岐のすぐ後に雪に埋もれかけた案内標識を発見、周囲はほとんど雪は無いのにこの分岐点だけ残雪に覆われ、上に分岐する道が隠されて分からなかったのだ。これで最初から藪漕ぎしないで済んだ。もっとも、この付近は背の高いブナ林で地面の植生は薄く、稜線まで藪漕ぎ不要で登れるような場所だが。

 ジグサグに登って稜線へ乗る。道は立派で雪解け直後で倒木はあるが刈り払いは完璧だ。尾根上は残雪はほぼ無しで夏道を淡々と歩く。周囲はイワウチワが花盛り。マンサクやタムシバも咲いていて春の気分満開だ。これでも上部は残雪のはずなのだが。いつのまにか上空の雲は取れて晴れ間が広がり暑いくらいになってきた。

 高度を上げて金城山山頂が近付き尾根が広がると一面の残雪に変わる。夏道の形跡は全く分からず、下山時に夏道入口がどこなのか分からなくなるため、こんな状況を予想して準備した赤テープを数か所に巻いた。連休の新雪はすっかり溶けて汚れた古い雪が露出していて、登山靴のままでもほとんど沈まない。気温は+10℃と暖かいのにこの雪の状態、これが例年の大型連休頃の雪質なのだが。連休中にこれだったらもっと奥利根の山は楽に歩けたのになぁ。

 金城山三角点は最高点にはなく、一番奥の1360m峰が最高点だ。もっとも、今は三角点は雪の下で確認できないが。山頂一帯は背の高いブナに覆われたなだらかなピークで、休憩するにはちょうどいい。無雪期がどんな様子なのかは不明だ。山頂標識も雪の下かもしれない。まだ疲労は感じないので休憩しないで先に進む。朝方はここはガスの中だったが今はすっきり晴れている。

 1350m小ピークを越えて1290m鞍部へと下る。この下りで夏道が出ていたが、鞍部付近から再び一面の残雪で、夏道の存在は全く感じられなくなる。たぶん尾根上に道があるのだろうが、今は歩きやすいところを適当に行ける。

 1430m峰より先でルートを考える。この先の小松原湿原付近は地形がなだらかで特徴に乏しく読図が難しくなる。ここを横断するより西縁の尾根を登った方が地形がはっきりしてルート判断は格段にしやすくなる。しかし一度?1410mの谷底まで下る必要があること、迷うとしたら登りではなく下りなので、登りは無雪期には歩けない湿原を歩くことにした。ただし、念のため目印を付けながらだ。この天気では雪の上の浅い足跡が帰りに消えてしまうことも十分考えられる。こんな時こそGPSの出番なのだが、先週の幕営装備を車から降ろす時にGPSはザックに付いたままになっていたので、今回はGPSロガーはあるのだがハンディーナビが無い。ナビだと軌跡が出るので帰りにその軌跡を追えばいいのだが、ロガーだとそこまでの表示ができない(正確には表示は出るが縮尺が小さすぎて実用的でない)。目印と足跡が頼りだが、どうしても分からなくなったら西縁の尾根に乗り移るか。

 最初だけ赤布を見たが、尾根が広がり湿原地帯に乗るとそれも見えなくなった。ただし、黒倉山らしきピークは樹林の切れ間から見えるので進行方向に不安はない。やっぱり下りが問題になりそうだ。せっかくだからと樹林が大きく切れた湿地帯と思われる雪原をつないで登っていく。たぶん夏道はもっと東側を通っていて避難小屋前を通るはずだが、私が今歩いているだだっ広い尾根は黒倉山西側の1710m峰に突上げるので、避難小屋は通らない。気が向いたら帰りがけに小屋に寄ってみようと思うが、この樹林で遠望が利かず特徴のないダラっとした地形の中で避難小屋を探し出すのはかなり難しそうだ。見つかればラッキーだろう。

 尾根上は湿地が連なっているわけではなく、湿地間は深いシラビソ樹林だ。もちろん目印や足跡は皆無で、時折見える黒倉山目指して緩やかに上がっていく。時々目印を残したが、この深い樹林では発見は困難だ。最後の頼りは足跡しかない。

 3つくらい広い湿地らしい雪原を横断してからは緩やかな登りが続くようになり、シラビソ樹林を登り続ける。そのうちに尾根が明瞭化し、今乗っているのは黒倉山西側の1710m峰に突上げる尾根であることがはっきりした。東隣には黒倉山に直に登る尾根もあるが、今の尾根の方が傾斜が緩そうなのでこのまま詰めることにする。高度が上がると根元や途中からへし折れたシラビソが目立つようになる。全て北側に倒れているのでえらく強い南風が吹いたのだろう。でも杉が倒れるのはよく見るがこれだけまとまってシラビソが折れているのは見た記憶がない。まだ葉は枯れていないので、そこそこ最近の出来事のはずだ。

 1710m峰手前で左にトラバース、鞍部で稜線に乗る。南側は雪庇が張り出し、足元は切れ落ちている。やっと苗場山が見えるようになるが、さすがに今の時期はまだ雪がたっぷりと乗っている。鳥甲山や岩菅山は雲の中に沈んでいて、秋山郷が晴れの境目だった。

 ここから進路を東に変えて登っていく。南側は切れ落ちて縁は藪が出ているので少し北側を巻き気味に歩く。背の高いシラビソ樹林で歩きやすい稜線だ。気温は高めなので雪はさほど固くなく、傾斜があってもノーアイゼンで軽いキックステップだけで問題無く登れた。これだと担いできたワカンとアイゼンの出番は無いかな。右足親指の痛みも軽いキックステップなら大きな問題にはならなかった。

 登りきると黒倉山山頂部で、微小な2つのピークで構成されていた。三角点があるのは西側ピークだが、1,2mの積雪があるので三角点発見は無理だ。近くの木には山頂標識、目印、航空測量標識などは全く見当たらない。残雪期にわざわざこんなところに来る人はいないようだ。ここまで約4時間、休憩無しで歩き続けたのでやや高く見える東側ピークでシートを広げて休憩。少し風があるが日差しが強く体感的には暖かかった。ザックを枕に断熱シートに横になっていたらいつの間にか寝てしまった。それだけ気持ちのいい天気だった。

 次は日蔭山手前の小松山。日本山名事典記載の山で日蔭山手前の1800mピークだ。稜線上は気持ちのいい雪稜が続き快適に歩ける。シラビソ樹林の尾根を登ると南半分が開けた小松山山頂。当然、山頂標識、目印は無い。日蔭山は目の前だ。

 再び下って鞍部から登り返し。ここでスキー跡のような複数の筋を見たが、自然現象でできたものなのか、それとも本当にスキーの跡なのか不明だ。たぶんスキーで入るなら神楽三俣からが普通だと思うので、ここまで足を延ばすスキーヤーは少ないと思う。ただ、この緩斜面は樹林が多いのがちょっとウザいがスキー向きの斜面だと思う。

 シラビソ樹林の尾根を登り返した先が日蔭山山頂。傾いた山頂標識が雪面から頭を出しており、久々に夏道の存在をうかがわせる人工物だった。山頂一帯は立ち木が無く広くなっているが少し離れた北側はシラビソがあるので北側の展望は無い。南側は檜ノ塔から続く苗場山の岩壁が険しい。いつも見る穏やかな山容とは大違いだ。このお天気なら神楽ヶ峰経由で山スキーで登っている人もいるだろう。

 日蔭山は別名「三ノ山」と表記され、3つのピークで構成されているので、せっかくだから3つのピークすべての山頂を踏んでおくことにする。最高点が西端の日蔭山で、東端の1800m峰まで足を延ばす。途中の1830m峰は肩のような小ピークで目立たない場所。鞍部から1800m峰への登り返しは夏道の筋が見えているが地面が出るほど雪は減っていない。夏道のある尾根上ではなく残雪が豊富な北側斜面を登って山頂へ到着。このピークは高い立木が皆無の展望のいい場所で、北側の小松原湿原を見降ろすことができる。上から見てものっぺりした特徴のない平坦地で、帰りが思いやられる。平坦な地形の場所はかなり標高が落ちるまで真っ白のままであった。

 これで目的地は全て制覇。あとは下山だが、登り返しが面倒なので鞍部から日蔭山を巻くことにして北に巻き始めたが、思ったより雪が緩んで足が重く、このままトラバースするより標高差50mを登っても稜線歩きの方が楽そうだと判断し、雪の斜面をジグザグに登って再び日蔭山山頂へ。次の小松山はトラバースする斜面の傾斜はもっと緩やかなので巻くことにし、横ではなく少し下り気味に進んだので足が潜っても楽だった。

 小松山北尾根に乗る直前で、尾根上に見える木が「紅葉」しているのに気付いた。いや、この時期に紅葉しているはずはなく葉が枯れているのだ。北尾根に出ると生えているのはシラビソのみ、その大半で葉が茶色に変色していた。東隣や西隣の尾根のシラビソは青々としているのにここだけ異変が発生している。老木が枯れかかっているのではなく、背の低い若い木も同様で、病気でも発生しているのだろうか。まだ完全に枯れた木は無いように見えるが、このまま全ての葉が赤くなってしまうのだろうか、それとも回復するのかは分からない。長いこと山登りしているが、こんな現象を見たの初めてだった。

 北尾根の傾斜が無くなる最低鞍部で進路を西に変更、せっかくなので小松原避難小屋を見てみることにするが、何せ特徴に乏しい地形だし、背の高いシラビソが繁茂して視界が制限されて遠くから小屋を発見するのは不可能な状況だ。地形図を見ると小屋は谷沿いに設置されているようなので、周囲の地形を見ながら一番低そうな場所を選んで進んでいく。地形図によるとそれまであいまいだった谷がはっきりと刻まれる境界付近に小屋があるはずである。周囲には夏道の目印となるような物体は全て雪の下のようであり、夏道の形跡を伝って小屋に辿りつく技は使えない。

 平坦な森林を緩い谷沿いに下っていくとありました! 小松原避難小屋が。赤い尖った三角屋根で、1階部分は半分以上雪に埋もれていた。1階のドアは外開きなので雪がつっかえて開けることはできないが、横にある窓は施錠されていなかったのでここから出入り可能だった。窓は積雪による破損防止のためか、ちょうつがいで上下に動く木の板で保護されているため小屋の中は暗く、真っ白な雪原に慣れた目では中は真っ暗に見えて細かい様子は分からなかったが、荒れている印象は無かった。周囲に足跡は皆無、ほとんど訪問者はいないようで、春山シーズンにこの小屋をベースにスキーを楽しむのもいいかもしれない。貸し切り状態で静かな山を満喫できるだろう。

 この先が今回のルートで最難関。広大で平坦な台地を下って金城山へ続く尾根に乗ることだ。夏道の存在を感じさせるものは小屋以外は皆無で、往路の自分の足跡と自分で付けた目印が頼りだ。最終手段として西側の尾根に乗り移ることも考えられるが、無駄な距離と標高差が加わるのでできれば取りたくない手段だ。

 往路のルートは小屋よりも西側なので、まずは西に進路を取る。小屋の北側のやや高い位置に湿原らしき広い雪原があり、ここを西に横断し、そのまま西に進み続ける。3つ目の広い雪原で往路の足跡を発見、これで一安心だ。周囲は同じような風景が広がっているのでGPSを使わない限りは現在位置の特定はほぼ不可能、とにかく足跡を逃さないように進んでいく。日差しと気温上昇で往路の足跡の窪みは浅く、窪みで判断するより表面を覆った汚れた雪が除けられてより白い内部の雪が露出した点々を追う方が確実だった。目印はたまにした付けなかったのであまり役立たなかった。樹林が深いので目印はかなり接近しないと見えないのが痛かった。

 平坦な太い尾根から西に下る部分の足跡も残っており、ここまでくればルートファインディングについてはほぼ安全地帯。右手前方に金城山が見えてきた。それまで西側の山々にかかり続けていた雲が切れ始め、台倉山はその奥の火打山が姿を現した。鳥甲山の北側や西側の道無き山も、いつかは残雪期に登りたいものだ。ただ、林道の除雪が行われないのでアプローチが悪いのが欠点だ。やるならテントでも担いでまとめて片づけたいエリアだ。

 最低鞍部から僅かな区間だけ夏道を使って1350m峰を経由して金城山山頂。前回の休憩から2時間以上経過しているので再び休憩。足跡は往路の私のものしか残っていない。今日は山の中では誰とも会わないで終わりそうだ。人の多さについては連休中に登った尾瀬が特別だったのかもしれないが。

 金城山の下りは登りで残した目印が大いに役立ち、雪が切れた夏道入口に無事到着。あとは夏道を歩くだけ。気温は上昇し暑いくらい、雪が消えるとすっかり春の風景だ。下に見える林道のあちこちに車が止まっているのが見えるが、たぶん山菜取りだろうな。

 尾根を離れてジグザグに北斜面を下って巻道へ。残雪の上の足跡は私のものだけ。駐車場も私の車だけだった。登山口付近では既に虫が発生していて、今年最初の虫刺され。今後も雪が残る山か、より高い山を目指さないと低山は蜘蛛の巣と虫がいっぱいかな。やっと花粉が終わったと思ったら次の災難が。低山に登る適期は秋から冬しかないようだ。

 心配していた右足親指腱の痛みは下山後少し増したが、今は徐々に収まって正常に近付いている。来週くらいは100%回復しそうだが、また週末の片方は雨の予報でテントを背負って入るような山はパスだな。短い残雪期の週末に雨なんか降らなくてもいいと思うのだが残念・・・・。

 

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